AMD / Intelチップセット比較
事の始まり
我が家で一番の変態マザーボードであったGIGABYTE GA-Z170X Designareが壊れまして、Core i7 6700も道連れになってしまいました。
さらに、BIOSTAR Z270GTNも、最近不調で、ブートしないことがしばしば。このZ270GTN、PWMファンしかコントロールできず、3pinタイプのDCファンはフルパワーで回転させるしかないという残念仕様なこともあり、今更第6/7世代CPUのためにマザーボードの修理やCPUの買い直しもなぁということで、第10世代Coreプロセッサが目前に控えているけれど、ちょっとIntel第8/9世代Core周りも調べてみるかと思い立ったのが今回のことの発端であります。
さて、以前、AMDチップセットについてざっくり表にまとめたのですが、今回はZ390との比較で、絵にしてみました。
参考資料は、Intelはデータシートが公開されているのでそちらを。
AMDは各ニュースサイトに掲載のAMDのプレゼン資料や、パソコン工房NEXMAG https://www.pc-koubou.jp/magazine/22626
MSIのマザーボードのマニュアルに掲載されているBlock Diagram、所有しているASRock X570 Taichiを参照させていただきました。
X570
X570はRyzen 3rd Genと同時に発売されたPCIe Gen.4をサポートするチップセットです。
Ryzen CPU側で24レーン、X570側で20レーンのPCIe Gen.4を持ち、x4を相互接続に使用するため、実質、36レーンが使用可能です。
AMDのプレゼンでは40レーンとなっているのですが、第三世代Ryzen Threadripper用のTRX40(X570のCPU側接続をx8に拡張したようなもの)も同様のチップとみられるので、使用していない4レーンが隠されていそうですが、使用していない以上、実際に使えるのは36レーンと数える方が良いでしょう。
PCIe 16レーンのうち、PCIe x4と4xSATAの排他利用となるレーンがあります。マザーボードによってこのPCIeレーンの利用方法は異なり、ASUSやASRockは排他無しの8xSATAにするため、4レーンをSATAで使用し、残りの4レーンをM.2で利用しているようです。
GIGABYTEやMSIはPCIe/SATA兼用のレーンをM.2に使用し、排他のないSATAは4ポートのみにしているようです。
さらに、USB3.2 Gen.2 (10Gbps)をCPUで4本、X570で8本サポートします。これらはUSB3.2Gen.1(5Gbps)として使用することも可能です。10Gbpsはケーブル長が厳しかったり、マザーボードへの実装コストが高くなったりするので、Gen.2とGen.1を振り分けて利用することになります。
ASRock X570 Taichi/X570 Phantom Gaming Xの場合だと、以下のように使用されているようです。
CPU x4 M2_1
CPU x16 PCIE_1 (x16, 1x8, 4x4, 2x4), PCIE_3 (None, 1x8)
X570 x4 (4x1で使用) PCIE_2, PCIE_4, 2.5G LAN(PGXのみ), ASMedia PCIe Gen.2 1:2ブリッジ(ブリッジ先にWiFi, Intel GbE)
X570 x4 M2_2
X570 x4 M2_3/PCIE_5の排他利用
X570 x4 4xSATAとして使用
これだけ載せても、排他利用がM2_3とPCIE_5しかないですね。
X370/X470/B350/B450
AMDのX370/X470/B350/B450も絵にしておきます。
まずはRyzen 1st/2nd Gen CPUとX370/X470の場合
そしてRyzen 1st/2nd Gen APUとB350/B450の場合
X570はチップセットファン付きのマザーボードが多かったり、B450のハイエンドとX570のローエンドですら価格かかぶるかかぶらないかくらいと、価格差が大きいことから、B450マザーを選択する方も多いですが、拡張性という点でも大きな差があります。
X570以外はPCIe Gen.3を使う場合、SATA Express用のx2を利用することができますが、その場合、利用可能なSATAが減ります。
このため、M.2でPCIe x2 SSD用に利用するか、SATA専用で利用されることが多いです。
ASRockの超定番、B450 Steel Legend (B450M Steel Legendではありません)の場合
CPU x4 M2_1とPCIE_4で排他利用
CPU x16 PCIE_1
B450 x2/SATA M2_2とSATA3_3/SATA3_4で排他利用。M2_2のSSDはPCIe x2まで
B450 x6 PCIE_2, PCIE_3, PCIE_4, PCIE_5, GbE, ASM1061(2xSATA)
のように、M.2 NVMe SSD用としても使用しつつ、不足するSATAを補うため、PCIe SATAコントローラが載っています。
PCIe 3.0 x4が使えるので、拡張性もありますが、高速SSDを搭載するとPCIe x4が使用できないため、高速SSDをとるか、10GBASE-Tなどをとるか悩ましいですね。
Z390
Z390は第8/9世代Coreプロセッサ向けチップセットです。
基本的な作りはZ270から大きく変わらず、USB3.2Gen.2サポートやCNViサポートの追加が中心です。
うたい文句はPCIe 最大24レーンの高拡張性なんですが、よく見ていくと、これは実用が難しいことが見えてきます。
PCIe 24レーンを利用する場合
- SATAは使用できません
- 内蔵GbEは使用できません
- USB3.2は6ポートまで使用できます
- RST対応PCIe x4のみIntel NVMe SSDでRAIDが構成できます
確かにM.2 NVMe SSDの普及や、HDD、DVD/BDドライブを搭載しないPCが増えてきているので、SATAは必須ではないとも言えますが、まだ、多くのユーザーは、コストを優先して、NVMe SSDは500GB~1TBに抑えて、データ倉庫として、1~2TBのSATA SSDや3~8TBのHDDを搭載する場合も多いと思います。
また、ノートPCではWiFiのみにすることも増えていますが、デスクトップではまだ有線LANを利用していることが多いと思います。
USBも、背面に4~6ポート、フロント用に2ポート+USB Type-Cのため2ポート(フロント用Type-CコネクタはUSB3を2ポート分使用します)搭載するには、USB3.2 Gen.1とPCIe x4の排他利用では、USB3.2 Gen.1を選択する可能性は高いです。
結果、実用的なPCIeの配分は
PCIe x4 (RST対応)をPCIe x4スロットまたはM.2/PCIe x4の排他利用
PCIe x4 (RST対応/SATAx2)をM.2 (SATA5/6と排他利用)
PCIe x4 をSATAx4
PCIe x4 (RST対応/SATAx2/GbE)をM.2 (SATA SSDをM.2に装着するとSATA1かSATA2と排他利用)
PCIe x4 をGbE、2.5G Lan, PCIe x1スロット等
PCIe x4 をUSB3.2 Gen.1
のように利用すると、実質的に使えるPCIeレーン数は16(SATAとUSBで8レーン使用のため)でしかありません。
X570に対する優位性としては、WiFiがCNViで接続できるのでPCIeレーンを使用しないですむ、1レーン分しかありません。
しかも、RyzenはCPU側にストレージ用のPCIe x4またはPCIe x2+2xSATAとして使用できる高速I/Oを持っているため、ビデオカード以外で実質20レーン使用できるRyzen CPU + X570と、実質16レーンとなってしまうCore i9 + Z390となってしまい、WiFiなしなら4レーン、WiFiありなら3レーン分、Ryzen + X570の方が上となります。しかも、Gen.4なので、1レーン辺りの速度は2倍です。
せめて、Intelも第10世代デスクトップCoreプロセッサでGen.4に高速化してAMDに対抗して欲しいところですが、今、聞こえてくるのはGen.3止まりになりそうという話ばかり。
現時点では、Ryzenのコスパの良さ故に、Intelの選びどころが悩ましいところです。
結論は?
とここまで比較した結果、壊れたPCの入れ替えのために、マザーとCPUを買ってきてしまいました。
GIGABYTE H370N WIFIとPentium G5400です
ここまで振って、Z390じゃないのかよって言われそうですが、Z270GTNも不調なのでmini ITXマザーを入れ替えることにしました。
mini ITXの時点で、拡張性なんてどうでも良いレベルですが
- PCIe Gen.3 x4 M.2 スロットが表/裏2スロットあり
- DisplayPort出力あり
- HDMI 1.4, HDMI 2.0出力あり
- Intel GbEをデュアル搭載
- WiFi搭載
- USB 2.0とUSB3.2 Gen.1が2ポートずつ、USB 3.2 Gen.1 Type-Cも1ポートあり
と、mini ITXマザーに欲しい機能が全部入っているのでこれにしてみました。
Z170X Desginareは3年あまり、Z270GTNは2年弱の利用ですが、最低3年、できれば5年、安定して動いて欲しいですね。
CPUは第9世代にしたかったのですが、GIGABYTEのマザーボードは外観からBIOSバージョンがわからないということで、買ってみて第9世代非対応だとまた店にもちこんでBIOSアップデートとか面倒なので、Pentium G5400にしておきました。
起動してみると、第9世代でブートは可能というBIOS F7が入っていたので、第9世代でもそのままアップデートすれば良かった気もしますが、まぁ、安心な構成だったと言うことで。
Z270GTNだとうるさかったmini ITX構成(Cooler Master Mini 110)が、H370N WIFIにすることで大幅に静かになりました。
Silent設定のファンコントロールはZ270GTNより大幅に優秀ですね。
拡張性重視やマルチメディアクリエーションなどの用途で無ければ、脆弱性やらコスパやらあるけれど、Intelの安定性も捨てがたいので、Ryzen登場以来、AMDに競り負けが続いているIntelにもそろそろ復活して欲しいところですね。
AMDが完敗していたSandyBridgeからSkylakeくらいまでの期間はIntelの改良が小さいものにとどまっていたことから考えても、やはり、競争相手がいる、お互いに競り勝ち/競り負けを繰り返している状況が、利用者側からすると大事です。



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